ノウハウ

第2回 店長の8つの責任

今回は、店長の8つの責任についてご説明いたします。店長として仕事で成功するためには、まずこの店長の8つの責任をしっかりと理解することからスタートしなくてはなりません。

1.お客様に対する責任
店長の責任の1番目は当然ですがお客様に対する責任です。それは単にお客様を大切にすることだとか、お客様は神様ですとお念仏を唱えることではありません。お客様に対する責任とは、ご来店いただいた全てのお客様に満足していただくということです。 そのためには、年々高まるお客様のニーズに対し常に一段上の店舗運営を目指さなくてなりません。これがお客様に対する責任と言うものです。

2.会社に対する責任
2つめの店長の責任は、会社に対する責任です。個店であれチェーン店であれ、お店の責任者としての会社に対する責任は、請け負った数値を達成することです。その請け負った数値とは年度の予算のことであり、その予算は店長と会社が結んだ仕事の契約書のことです。だから店長達は数値に責任を持ち、その数値を達成するためにいろいろと対策活動を打ってゆくのです。 私は店長たちのことを別名「数値請負人」と言っています。つまり請け負った数値を達成するプロの仕事人と言うことです。そして、その請け負った数値を達成したときにはじめて会社に対する責任を果たしたことになります。これが会社に対する責任と言うものです。

3.部下に対する責任
3つめの店長の責任は、部下に対する責任です。部下に対する責任とは、仕事を知らない部下に仕事をきちんと教え、仕事の楽しさを教えることです。そして、部下に良い仕事をしてもらうことで、お店の戦力がアップし、その結果としてお客様の満足を得ることです。これが部下に対する責任と言うものです。

4.お店を繁盛店へと導く責任
店長の4番目の責任は、任されたお店を少しでも大きくし、そしてそのお店を繁盛店へと導くことです。つまり、自らの力でお客様を創り、そして、自らの力で店を繁盛店へと導いてゆくことです。これは店長にとって最も難しい仕事となりますが、これが出来る店長こそがプロの仕事人となれるのです。これがお店を繁盛店へと導く責任と言うものです。

5.労務管理に対する責任
店長の5番目の責任は、労務管理に対する責任です。外食産業が他産業と比較して一番遅れているのがこの労務管理の問題です。長時間勤務に休日出勤が日常的に当たり前のようになっている所も沢山あると思いますが、労働環境が良くならなくては、会社もお店も発展することはありません。 そのためにも、働く環境を整備することが何より大切になってきます。これも店長の仕事です。具体的には、拘束時間の改善や連続休暇の取得などが当たり前のようにできる環境をつくることです。これによって、お店で働く人達の仕事への意欲もいちだんと高まり、もちろん、自分自身の生活も更に充実したものにできるようになります。これが、労務管理に対する責任と言うものです。

6.資産の保全に対する責任
店長の6番目の責任は、資産の保全に対する責任です。お客様は常に魅力的なお店を追い求めています。そのお店が新しいとか古いとかではなく、常に今の時点で一番魅力的なお店を選ぶものです。そこで、資産の保全で一番大切なことは、常にお店の魅力度を保ちながら競争に打ち勝てるようにお店を維持することです。これが、資産の保全に対する責任です。

7.緊急事態に対する責任
店長としての7番目の責任は、緊急事態に対する責任です。具体的には、事件や事故、そしてクレーム等に対する一次対応です。事件や事故、そしてクレームの一次対応は、本部や店長の上司であるエリアマネジャーがするものではありません。現場にいる店長がしなくてはならない仕事です。それはお客様への最終責任者が店長だからです。しかし、ここでしっかりした一次対応が出来れば、その後もお店を発展させることができます。これが緊急事態に対する責任と言うものです。

8.改善提案に対する責任
店長の8番目の責任は改善提案に対する責任です。店長には提案家としての責任があります。それは、現場の最終責任者として、お客様の満足と働く店の従業員のやる気の向上のために建設的な改善提案ができることです。その改善によって、更にお客様の満足感が高まり、そしてお店の人達の仕事振りが良くなることで、最終的にお店の売上と利益がアップを目指してゆくのです。だからプロの仕事人たちは、いつも自分自身の問題意識を高めているのです。これが改善提案に対する責任と言うものです。